703 :つんぼゆすり 1/6:03/06/17 17:07
こどものころ、伯父がよく話してくれたことです。
僕の家は昔から東京にあったのですが、
戦時中、本土空爆がはじまるころに、祖母と当時小学生の伯父の二人で、田舎の親類を頼って疎開したそうです。
まだ僕の父も生まれていないころでした。
戦争が終わっても東京はかなり治安が悪かったそうで、すぐには呼び戻されなかったそうです。
そのころ疎開先では、色々と不思議なことが起こったそうです。
そこだけではなく、日本中がそうだったのかもしれません。
時代の変わり目には奇怪な噂が立つと聞いたことがあります。
伯父たちの疎開先は小さな村落だったそうですが、
村はずれの御神木の幹にある日、突然大きな口のような『樹洞(うろ)』が出来ていたり、
5尺もあるようなお化け鯉が現れたり。
真夜中に誰もいないにもかかわらず、あぜ道を提灯の灯りが行列をなして通りすぎていったのを、
多くの人が目撃したこともあったそうです。
今では考えられませんが、狐狸の類が化かすということも、真剣に信じられていました。
そんな時、伯父は『つんぼゆすり』に出くわしたのだと言います。 つんぼゆすりの続きを読む
こどものころ、伯父がよく話してくれたことです。
僕の家は昔から東京にあったのですが、
戦時中、本土空爆がはじまるころに、祖母と当時小学生の伯父の二人で、田舎の親類を頼って疎開したそうです。
まだ僕の父も生まれていないころでした。
戦争が終わっても東京はかなり治安が悪かったそうで、すぐには呼び戻されなかったそうです。
そのころ疎開先では、色々と不思議なことが起こったそうです。
そこだけではなく、日本中がそうだったのかもしれません。
時代の変わり目には奇怪な噂が立つと聞いたことがあります。
伯父たちの疎開先は小さな村落だったそうですが、
村はずれの御神木の幹にある日、突然大きな口のような『樹洞(うろ)』が出来ていたり、
5尺もあるようなお化け鯉が現れたり。
真夜中に誰もいないにもかかわらず、あぜ道を提灯の灯りが行列をなして通りすぎていったのを、
多くの人が目撃したこともあったそうです。
今では考えられませんが、狐狸の類が化かすということも、真剣に信じられていました。
そんな時、伯父は『つんぼゆすり』に出くわしたのだと言います。 つんぼゆすりの続きを読む