45 :可愛い奥様:2005/06/25(土) 01:18:27 ID:w4QtvWUF
タクシー運転手の奥さんが、まだ五才になったばかりの子を残して亡くなった。
父親は仕事で出かけている時間が長く、その間隣の家に子どもを預けていたのだけれど、
深夜になっても帰ってこないのものだから、親切で面倒をみていた隣人もさすがにしびれを切らして、
子どもをひとりの家に帰してしまうことも多かった。
子どもは寂しくて、父親が帰ってくるまで、親の名を呼んで泣いていたそうだ。
タクシー運転手の奥さんが、まだ五才になったばかりの子を残して亡くなった。
父親は仕事で出かけている時間が長く、その間隣の家に子どもを預けていたのだけれど、
深夜になっても帰ってこないのものだから、親切で面倒をみていた隣人もさすがにしびれを切らして、
子どもをひとりの家に帰してしまうことも多かった。
子どもは寂しくて、父親が帰ってくるまで、親の名を呼んで泣いていたそうだ。
ある晩、子どもの泣き声がぴたっと止まり、笑い声が聞こえてきた。
隣人は、ああ父親が帰ってきたのだな、と納得したのだけど、
そのしばらく後に父親の帰宅する音が聞こえてきて、
「父ちゃんおかえり」と子どもが出迎えている。
そうした夜が何晩かつづいて、不審になった隣人は、ある晩、子どもの様子を見にいった。
子どもは、暗い部屋で一人で喋っては笑っている。
その様子が誰かと話しているようなので、翌日、父親にそのことを話した。
父親は子どもに、「毎晩だれと話しているのか」とたずねた。
「母ちゃんだよ。おいらが寂しくて泣いてると母ちゃんがきて、 だっこしたり、頬ずりしたりしてくれるの」
「それで、母ちゃんはどっから入ってくるんだ?」
子どもは、土間の縁側を指さした。
「あの下から、にこにこしながら這って出てくるよ」
それから父親は仕事を替えて、早く帰宅するようになったそうだ。
隣人は、ああ父親が帰ってきたのだな、と納得したのだけど、
そのしばらく後に父親の帰宅する音が聞こえてきて、
「父ちゃんおかえり」と子どもが出迎えている。
そうした夜が何晩かつづいて、不審になった隣人は、ある晩、子どもの様子を見にいった。
子どもは、暗い部屋で一人で喋っては笑っている。
その様子が誰かと話しているようなので、翌日、父親にそのことを話した。
父親は子どもに、「毎晩だれと話しているのか」とたずねた。
「母ちゃんだよ。おいらが寂しくて泣いてると母ちゃんがきて、 だっこしたり、頬ずりしたりしてくれるの」
「それで、母ちゃんはどっから入ってくるんだ?」
子どもは、土間の縁側を指さした。
「あの下から、にこにこしながら這って出てくるよ」
それから父親は仕事を替えて、早く帰宅するようになったそうだ。