846 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/25 06:46
寂れた飲み屋で、一枚の写真を手に上司が話してくれた。
「お前も知ってるだろうけど、俺は山に行くんだ。写真を撮りにね。
 大学の頃から山はしょっちゅう登ってたから、技術には自信を持ってたんだけど、今から15年くらい前かな。
 あまりにいい景色だったんで夢中でシャッターを切ってたら、足を滑らして転げ落ちちゃったんだ。
 根が卑しいのかカメラをしっかり持ってたんだけど、なんとか体を引っ掛けることが出来た。
 でも危険な状態だった。1メートル先は完全な崖だったんだ。
 なんとか体はとどめているけど、いつまた滑り出すか分からない。
 その時、上からザイルがするすると降りてきたんだ。
 カメラを首にかけて夢中で登ったよ。
 安全なとこまで登りきって一息ついたんだけど、誰もいない。叫んでみたけど返事もないんだ。
 是非お礼を言いたかったのだが、仕方がないと思って、その日は山を降りたんだ。
 家に帰って写真を現像してみると、山の写真の中に、一枚見覚えのない写真があるんだよ」
と言って、上司は写真をよこした。

写真に写った男

847 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/25 06:46
崖に引っかかっている時に偶然撮れてしまった写真らしい。
そしてその写真の真ん中に、崖の上から覗きこむようにして男の顔が映っている。
「俺はこの人にお礼が言いたくて、いつもこの写真を持ち歩いてるんだ。
 だけど・・・お前、分かるか?」
写真の男の顔は皺だらけであったが、上司の顔にそっくりであった。
「年々、俺の顔がそいつに似てきてるんだ・・・」
上司はそれを悩みの種にしているようだった。

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